雑草の萌芽

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遊戯王OCG環境とTCG環境の違いについて

2016年2月3日に海外TCG制限に追加の禁止・制限カードが加わる事が発表されました。これは緊急対応で全ての大会において適用されるわけではなく、ハイレベルな競技大会においてのみ適用されるものです。日本で考えると代表選考会予選などでライフ回復系のカードが追加で禁止になっているのと同じようなものと考えてよいでしょう。しかし、【EMEm】一強状態を改善することが目的の改訂なので、実質的に新しい禁止・制限カードリストとして機能するかと思われます。今回は発売間もないカードがなぜいきなり規制されることになったのかを考えてみたいと思います。

遊戯王を競技としてみているかどうか


競技としてのTCGといえばマジック・ザ・ギャザリングが一番有名かと思います。マジックにおいてはカジュアルに参加できる大会と、賞金がかかった大きな大会とではルールの適用度が違います。簡単に言えばプロツアーを頂点としてグランプリなどの賞金の出る大会ではルール違反に対して他よりも厳しい処分が下されるのです。逆に気軽に参加してもらいたいフライデー・ナイト・マジックなどは通常の店舗大会よりはルール違反に対して寛容な面があります。

日本では公認大会規定はあるものの基本的にショップの公認大会において適用されるものとして作られています。唯一、日本代表選考会につながる一連の大会で追加の禁止カードが指定されているだけで、競技としての遊戯王には全く力を入れていません。選考会も基本的には公認大会と同じレベルのルール適用度で、当日のジャッジの裁量が最優先されます。大会ではカジュアルに遊ぶことしか考慮されていないのが現状です。もうひとつ競技用の大会規定を作った方がよいと思うのですけどね。

海外では店舗の大会と大規模大会や地域選手権ではルールの適用度が違うようです。規模の大きな大会では厳密にルールを守ることが求められています。当然と言えば当然の話ですね。

今回の追加の禁止カードはより競技性の高い大会でのみ適用されるものです。右を見ても左を見ても【EMEm】ばかりでは環境が狂っているとしか言えませんから。追加されたカードを見れば【EMEm】潰しなのがよく分かるかと思います。

追加禁止カード

  • 《Emヒグルミ/Performage Plushfire》

  • 《Emダメージ・ジャグラー/Performage Damage Juggler》

  • 《星守の騎士 プトレマイオス/Tellarknight Ptolemaeus》

追加制限カード

  • 《EMドクロバット・ジョーカー/Performapal Skullcrobat Joker》

  • 《EMモンキーボード/Performapal Monkeyboard》

  • 《竜剣士ラスターP/Luster Pendulum, the Dracoslayer》

TCG環境ではなぜこれほどまで早く【EMEm】が規制されることになったのか


海外で《EMモンキーボード》が出たのが2016年1月15日。制限になるのが2月8日。一ヶ月にも満たないスピード規制です。ここまで早いのは発売前から規制することが決まっていたからでしょう。日本でもそうですが《EMモンキーボード》はノーマルでの収録。規制されてもそれほど財布にダメージはありません。これがレアリティの高いカードで高価になっていたらそれこそ大問題です。

実質的に新しい禁止・制限カードリストとして使われそうな今回の追加制限ですが、店舗の大会には適用されないというところにうまい逃げ道を作ったと思います。公式にはあと1〜2ヶ月は使えるカードということになっています。すぐに使えなくなるようなカードを出したとユーザーから怒られることを見事に回避しています。

日本における【EMEm】の強さは史上最強レベルでした。多くの引退者を出したといわれる魔導征竜環境の全盛期征竜を超えたという評価も聞かれるくらいです。日本では《星守の騎士 プトレマイオス》が禁止になってから《EMモンキーボード》を手に入れましたが、海外ではどちらも使えたのです。さらに《旧神ノーデン》も使用可能。ランク4デッキが圧倒的な強さで天下を取ることは誰にでも予想できることでした。1月に禁止カードでEm要素が消えたあとでも【竜剣士EM】が引き続き環境トップを独走しています。これらを見ていれば何を規制すればよいのか一目瞭然と言ってもよいでしょう。

日本の【EMEm】からの【竜剣士EM】という流れを見れば《EMモンキーボード》、《EMドクロバット・ジョーカー》、《竜剣士ラスターP》規制は当然の流れと言えるかと思います。むしろ後者2枚はなぜ1月に規制がかからなかったのか不思議なレベルです。EMはアニメの主人公が使っているカードだから、竜剣士シリーズのラストが1月発売のパックに入っていたからなどの邪推はできますが。

カードを規制するのは思っている以上に難しい


今回のTCGの追加改訂を神改訂だと言っている人を見かけました。しかし、やったことといえばOCGの後追いでしかありません。日本で《Emヒグルミ》、《Emダメージ・ジャグラー》禁止の影響を見てから決めたことでしょう。《EMモンキーボード》、《EMドクロバット・ジョーカー》、《竜剣士ラスターP》の3種は海外の方が先に規制がかかりましたが、どのカードも1月改訂の際に規制されるのが有力だと思われていたカード達です。さすがに4月の改訂では日本でも規制がかかるでしょう。どれにも規制がかからなかったらコナミはどうかしていると思わざるを得ません。

OCGはTCG環境整備のための実験場ではないかという説


遊戯王のカードは海外先行カードもあるので一概には言えませんが、基本的に日本で一番最初に発売されます。以前はOCGもTCGも基本的に禁止・制限カードリストが同じでした。しかし、2013年の9月より別の道を歩み始めました。その差はどんどんと広がっていき、いまでは全くの別物と言っていいくらい変わっています。制限復帰はあり得ないと考えられていた《ハーピィの羽根帚》が日本では使用可能、海外では《サンダー・ボルト》が使用可能で《大嵐》の禁止。環境整備に関する基本的な所から違っています。

汎用カードでは隔たりが大きいですが、テーマデッキが海外で使えるようになる頃にはどのカードが強いのかがだいたい分かっています。どのカードを規制すればそのテーマがどの程度弱体化するのかのデータも日本で取れています。日本でパブリックベータテストを行ったあとに発売される海外版。そういう風に考えるとTCG制限で遊ぶのも一つの手かなと思います。日本語版があるカードでTCG制限のCS開催などは面白いかもしれません。ゲートボールと称して過去の環境を懐古するよりも、新しいデッキが作れて面白いかもしれませんよ。
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