テラナイト入門
THE DUELIST ADVENT で登場し、環境トップも狙えるのではとの事前予想もあったものの、同時にシャドールという一段階から二段階上のデッキパワーを持ったテーマが全部かっさらって行ってしまい、実力・注目度ともに次点扱いになってしまったテラナイト。さらにシャドールがエクストラデッキを使う昨今のデッキをあざ笑うかのような《影依融合》というチート融合カードを持っているため、ランク4エクシーズ特化のテラナイトは肩身の狭い思いを強いられている。デッキの構造的な問題故にこの絶望的な相性差を覆すのは容易ではない。《影依融合》が禁止にでもならない限りシャドールの次というのは変わらないと思うが、逆に言えば環境第二位は十分狙えるだろう。
この記事は遊戯王カードWikiの【テラナイト】のページのような基本的なことを網羅したものでもないし、同じことをしても意味がない。【テラナイト】をひっさげてCSに初参戦し、2敗2分けの成績を持って帰ってきたモブの妄言である。ここに書かれていることが全て正しいという保証はないし、むしろこいつ何言ってんのと心の中でツッコミを入れながら読むものである。自分としてはこのような記事を読む時間があったらテラナイトの実戦経験を積むべきだと思う。すでにここまで読んでしまった時点で時間を捨てたようなものであるが。
(遊戯王をある程度知っている人向けに書き始めた記事でしたが、最後は【テラナイト】を最初のデッキにしてこれから遊戯王を始める人へ向けた記事になってしまいました。そのため、色々と整合性がとれないような箇所も出てきてしまいました。あらかじめご了承下さい。)
この記事は遊戯王カードWikiの【テラナイト】のページのような基本的なことを網羅したものでもないし、同じことをしても意味がない。【テラナイト】をひっさげてCSに初参戦し、2敗2分けの成績を持って帰ってきたモブの妄言である。ここに書かれていることが全て正しいという保証はないし、むしろこいつ何言ってんのと心の中でツッコミを入れながら読むものである。自分としてはこのような記事を読む時間があったらテラナイトの実戦経験を積むべきだと思う。すでにここまで読んでしまった時点で時間を捨てたようなものであるが。
(遊戯王をある程度知っている人向けに書き始めた記事でしたが、最後は【テラナイト】を最初のデッキにしてこれから遊戯王を始める人へ向けた記事になってしまいました。そのため、色々と整合性がとれないような箇所も出てきてしまいました。あらかじめご了承下さい。)
■【テラナイト】とはどういうデッキなのか
ひとことで言えばランク4のエクシーズ召喚に特化しすぎて、エクシーズモンスターが場に出せないと何もできないデッキである。下級最高打点が《星因士 ウヌク》の攻1800、最高守備力も《星因士 シャム》の守1800なので、攻1900のモンスターを出されたらおしまいである。ここは大事なところなのでもう一度。《ライオウ》と《虚無空間》を並べられたら詰みである。さらに大事なことは声を大にして言おう。《エルシャドール・ミドラーシュ》は出されるだけでおしまいだ!
だいぶネガティブに書いてしまったが、個々のカードは優秀である。最近のモンスター効果の定番といえるものは揃っている。手札からモンスターを追加で出せる、墓地のモンスターを場に出せる、テーマのモンスターをデッキからサーチできる。このあたりは後発デッキゆえの強みと言え、さらに新しいパックによる追加戦力も期待できる。まさに近年の遊戯王のトレンドを全部取り込んだテーマと言っても過言ではないだろう。
下級モンスター(サテラナイト)の特徴としては召喚、反転召喚、特殊召喚時全てに対応した”場合の任意効果”を持っているので、効果の発動タイミングを逃すことがない。既存のテーマからしたらおまえらふざけんな、としか言いようがない優遇っぷりである。
専用罠カードとして《神星なる因子》があり、これまた実用レベルのカウンターカードである。モンスターの効果・魔法・罠カードと対象が幅広いのも強みだが、フィールド上のテラナイトモンスターをコストに要求する見返りとして1ドローができる。
素材縛りはないがテーマのエクシーズモンスター《星輝士 デルタテロス》は非常に優秀である。エクシーズの弱点ともいえる《奈落の落とし穴》《強制脱出装置》で何もしないうちに退場ということがない。さらに召喚成功時に発動できる罠、攻撃宣言時に発動できる罠を起動効果によって除去できるので、そのあとの行動の自由が確保できる。召喚に成功すればその後の活躍まである程度は保証されているという点は非常に重要だ。
■テラナイトカードについて
・《星因士 ウヌク》
サテラナイト最強カード。デッキの心臓ともいえる《星因士 デネブ》をサーチできることは何物にも代えがたい。サテラナイト最高の攻1800が役に立つ場面も多い。純構築なら3枚以外あり得ないし、正直2枚以下しか入っていないデッキは全部ゴミだと思っている。小技として場にいるウヌクに《天架ける星因士》、《禁じられた聖槍》の順で使うと、天架けるでウヌクをデッキに戻さなくてもよくなるため、モンスターを並べやすくなる。天架けるで出すモンスターはアルタイルがいいだろう。ウヌクで落としたサテラナイトを釣れる。手札を一枚消費するので、相手の《次元幽閉》などのカードにチェーンして使っていきたい。
・《星因士 シャム》
サテラナイト最高のカード。一般的な【テラナイト】には1枚入っているかどうかのカードである。カードアドバンテージを得られない代わりにライフアドバンテージを得るカードなので、詰めの段階で効果を使っていこう。カードアドバンテージにつながらないシャムは弱いと思っている人が多いと思うが、このカードはこれを中心としたデッキを組めるという点において他のサテラナイトにはない大きな特徴を持つ。【シャムバーン】という《魔法の筒》、《バーバリアン・ハウリング》と組み合わせたデッキが組める。《ソウル・チャージ》で勝手に相手が減らしたライフを削るだけの簡単なお仕事ができる。今後《ソウル・チャージ》だらけの環境になれば必ず活躍してくれるだろう。
・《星因士 デネブ》
【テラナイト】の心臓。このカードの効果が使えなければそのデュエルはほぼ負けである。モンスターの供給が止まることは、遊戯王においては敗北と同義。デネブでサーチするカードは、またデネブの効果を使うために《星因士 アルタイル》が最有力。手札のアルタイルを使ってエクシーズしたい場合には《星因士 ベガ》。相手のライフが最後の詰めの水準にまで下がっていたらシャムがいい働きをしてくれる。
・《星因士 アルタイル》
【テラナイト】のお荷物。墓地からの釣り上げ効果を使ったときの「テラナイト」モンスターしか攻撃できなくなる制約がきつい。この制約を回避するために相手のエンドフェイズに《リビングデッドの呼び声》で蘇生するプレイが有効。《No.86 H−C ロンゴミアント》はX素材が3つ以上あればアルタイルの制約を受けずに攻撃できる。モンスターを展開しなければエクシーズ召喚ができないため、墓地からの釣り上げ効果を持つこのカードはデッキの核である。アルタイルが全て墓地に行ってしまうと途端に展開力が下がってしまうので、何らかの方法で再利用できるようにしておきたい。
・《星因士 ベガ》
サテラナイトの数あわせ。積極的に効果を使いたいカードではない。ただ、ベガがいないと3体エクシーズがとても難しくなるので、今のところ採用数が0になることはない。効果を使うとアド損になることを忘れてはいけないが、X素材2体の攻撃できるエクシーズモンスターを作れる。・《星輝士 デルタテロス》
X素材3体に見合った力を持ったエクシーズモンスター。【テラナイト】は基本的にデルタテロスでビートダウンしていくことになる。攻撃力が2500で少し心許ないことや除去に対する耐性もないので、相手のターンだとそれほど強くない。罠等を使って守ってあげることが必要。後先考えずに出しておけるほど強くはない。・《天架ける星因士》
デネブサーチカード。天架けるで出したサテラナイトをどうにか処理しないとエクシーズ先がデルタテロス固定になってしまうのが非常に痛い。相手が使ってきた単体除去などにチェーン発動することで、相手の思惑を外すとともにカード消費も抑えられる。速攻魔法なのでとどめの追撃に使えることは覚えておきたい。・《神星なる因子》
万能カウンター罠カード。使いやすいからといって使用後の場の状況を考えないで発動するのはNG。フィールド上のテラナイトモンスターがいなくなったことが徒となって負けるパターンもあるから注意が必要。墓地のカードは破壊できないので、発動時にすでにカードが墓地にある場合は1ドローできないことは覚えておこう。■【テラナイト】をデッキとして成立させるために
この記事では主にテラナイトカードを多数使用した純構築を想定している。どのような【テラナイト】デッキを作るにしても最も重要なことは、《星因士 デネブ》をいかにしてサーチして効果を使うかだけである。それ以外は全て些事だ。先攻初手5枚の中で考えることはただ一つ。次のターンでデネブの効果が使えるかどうか。最も重要なカード選択基準はここである。【テラナイト】が相手と戦えるのは全てデネブのおかげである。逆の視点から見れば、デネブさえ封じ込めれば【テラナイト】など紙束になるのだから、相手としては徹底的にそこを突けばよい。
《星因士 デネブ》をどうやってサーチするかは自分の好きな方法を取ればよいが、《星因士 ウヌク》でデッキから墓地に落とし、《星因士 アルタイル》で釣るのが最も簡単で手っ取り早い。純構築においては《星因士 ウヌク》は3枚以外はあり得ないし、それ以下の枚数にするのであれば何らかの代替手段は絶対に必要だと考える。《シャインエンジェル》、《召喚僧サモンプリースト》、《カードカー・D》、《強欲で謙虚な壺》、《天架ける星因士》などが候補として挙げられる。
・《シャインエンジェル》
戦闘破壊される必要があるとはいえ、セットしておけば多くの場合デネブを場に出せるカード。1枚目のデネブを持ってくるにはよいカードだが、初手にデネブがあった場合やテラナイトが回り始めたら召喚するタイミングがほとんどないのが困りもの。展開の要であるアルタイルをサーチできない点もきつい。・《カードカー・D》
召喚権とバトルフェイズを引き替えにカードが引けるカード。巷では採用されている例も多い。唯一使えるカードだと思うのが先攻1ターン目のみであり、さらに2枚ドローしたところでデネブが引ける保証はない。デュエル途中でドローしたら破り捨てたくなるような効果を持っているので、個人的には大嫌い。もちろん一度も使ったことはないし、これからも使うことはないと思う。このカードを使うなら他のカードを選択するだろうし、これのドロー効果がないと回らないようなデッキはそもそも1枚のカードに依存しすぎていて使う気にならない。・《召喚僧サモンプリースト》
手札コストに魔法を要求するものの、確実にデネブをサーチできる。デネブの効果で1枚サーチできるので、手札の消費も最小限で済む。サーチ後はすぐにランク4を立てれば攻撃も可能。問題は《エフェクト・ヴェーラー》や《ブレイクスルー・スキル》によって効果を無効にされることがあること。発動コストで手札1枚を使っているので、この展開は負けパターン直行になり得るのが怖い。・《強欲で謙虚な壺》
キーカードを素早く集める際によく使われるカード。特殊召喚できない制約の影響を少なくするためできる限り初手で使いたいが、枚数を入れると今度は大事なときに特殊召喚できなくなる制約が重くのしかかってくることが多い。個人的には手札に入れたカードが相手にバレることが好きではない。すぐに使ってしまうカードなら問題ないが、罠カードの場合、伏せてあるのが未知のカードという罠の長所が消されてしまう。・《天架ける星因士》
デネブをサーチするためだけに使うとアドバンテージで損をするカード。相手の行動に対応して使うなどの工夫が必要とされる。どのカードも一長一短で決定版というカードはない。もしあったらこっそりと教えて欲しい。自分が作ろうとしているデッキの方向性に合わせたカード選択が求められるが、いっそのこと何も採用せずにデネブとウヌクと自分の運を信じ抜くという選択肢もある。
■【テラナイト】で使われているカードたち
【テラナイト】はデネブさえしっかりと毎試合引き込めていれば、あとはデルタテロスをエクシーズ召喚するだけである。そのほかのカードは、よく使われているカードのランキングなども参考にして自分の好きなようにデッキを組めばいい。具体的にはエクシーズ召喚を補助するカード、デッキの弱点を補強するカードなどである。
・《No.86 H−C ロンゴミアント》
個人的な愛称は「ゴミちゃん」。だいぶ過小評価を受けているカードであり価格も100円程度。だがテキストに書いてあることは数ある遊戯王のモンスターの中でも最強クラス。もちろんそれにはだいぶ厳しい条件があるのだが、5体素材でエクシーズ召喚できればそれだけでデュエルに勝てることもしばしば。《ソウル・チャージ》の登場によりようやく強さに気がついたデュエリストも多いので、2枚目の確保は迅速に。アルタイルの制約でテラナイト以外は攻撃宣言できないターンでも、3体素材ロンゴミアントの「このカード以外の効果を受けない」効果で攻撃できる裁定が出ている。つまりデルタテロス召喚以外の選択肢になれるということである。《神の警告》等で召喚自体を無効にされなければ、《奈落の落とし穴》に落ちる心配もなく、《強制脱出装置》で仕事をしないでエクストラに戻されることもなく、《ブレイクスルー・スキル》で残念な子になることもない。戦闘破壊耐性もあるので《オネスト》を恐れる心配もない。召喚したターンはデルタテロス以上に安心して攻撃できるので、個人的には多用している。
・《H・C 強襲のハルベルト》
個人的なイチオシカード。サテラナイト以外はハルベルトを3枚入れるだけも十分デッキとして機能する。特殊召喚効果、貫通効果、サーチ効果すべてがハルベルト3枚入れるだけで完結する。強いカードが多い THE DUELIST ADVENT の中でも屈指の強カードであり、10年前なら全てのビートダウンに入っていたのではないかともっぱらの噂である。これが5円で買える時代なのだから、まさに隔世の感がある。【テラナイト】で主に使うのが特殊召喚効果。召喚権を使わずにモンスターを展開でき、さらにそれが放置できない攻1800とリクルート効果持ち。相手としてはこのカード1枚に《奈落の落とし穴》を使わざるを得ない場面も多々あろう。3体エクシーズが基本の【テラナイト】においてはエクシーズ素材確保という重要な役割を担っている。戦士族なのでロンゴミアントのエクシーズ召喚に使えるのも評価が高い。
・《フォトン・スラッシャー》
《増援》に対応した攻1900のモンスター潰しとしての一面と、ハルベルトと同様にX素材確保の役割がある。多くの面でハルベルトと役割がかぶっているので、何枚入れるかの調整を行う必要はあるだろう。・《カゲトカゲ》
ランク4エクシーズデッキの定番カード。【テラナイト】においては開闢の闇属性確保の側面も併せ持つ。デネブ確保用のカードをしっかりとデッキに用意してあるなら選択肢になりうる。《キングレムリン》を立てて後続の《カゲトカゲ》を準備することもできるが、正直この動きが強いとは思えない。このカードを使う上で問題になるのが召喚時にしか特殊召喚できないので、エクシーズをしようとするときには召喚権を必ず消費すること、トップデッキ勝負になったときには完全にニートになることだろうか。トップデッキ勝負になったときにはセットでデッキに入れてある開闢を頼るしかないか。
・《幻蝶の刺客オオルリ》
闇属性戦士族の《カゲトカゲ》。攻撃力がないので完全に他のカード依存だが、戦士族なのでロンゴミアントのエクシーズ召喚に使用できることがメリット。《増援》で必要なときだけ呼ぶ使い方もできなくはない。・《カオス・ソルジャー −開闢の使者−》
みんな大好き開闢さん。もちろん私も大好きで、禁止カードにされたときも1枚だけは大事にしまっておいた。かっこいいイラストは正義。特に老害と呼ばれている人々からの支持が厚いが、逆に開闢3枚時代にボコボコにされた経験もあるので人によっては嫌っている。出るのが10年早かったカードと言えるかもしれない。古くからあるカードであり、もはや開闢に関しては語ることはないのだけど、やはり今でもトップデッキからカードを叩きつけてイージーウィンできるのは魅力。闇属性を少量デッキに入れれば問題なく出せるのだから常に選択肢に入れておきたい。お供として《オネスト》がいれば連続攻撃の破壊力が段違いに上がる。相手の攻2500のモンスターを《オネスト》強化開闢で戦闘破壊した後にダイレクトアタックを決めればピッタリ8000。遊戯王簡単。
・《オネスト》
攻撃力が今一歩足らないサテラナイトのための戦闘補助カード。光属性なら常に警戒すべきカードであるため、デッキに入れていなくてもブラフとして意識させられる点がメリット。サテラナイト通常召喚、1伏せエンドで相手は《オネスト》と《神聖なる因子》を勝手に意識してくれるのが強い。・《禁じられた聖杯》
シャドールのリバースモンスターやミドラーシュを意識した対策カード。400と上昇値は低いものの、コンバットトリックにも使える。・《禁じられた聖槍》
魔法・罠からのモンスター保護とサテラナイトによる戦闘破壊補助カード。どちらの効果も強く汎用性が高い。自分のデッキに足りない要素を補うカード選択を行いたい。■【テラナイト】の戦い方
【テラナイト】は非常に素直なカードテキストを持ち、正統派ビートダウンといえる。既存カードのいいところだけを取り出してきれいに体系化したテーマと言ってもいいかもしれない。次世代の標準的なエクシーズデッキ(ランク4)として開発された印象があり、初心者が遊戯王を学ぶデッキとしても適していると思う。テーマのほとんどのカードがノーマルであり、それらのカードに制限魔法カードを加え、デルタテロス2枚とロンゴミアント2枚を揃えればデッキとして十分成立する。安めのカードショップであれば5000円もあればデッキが一つできておつりが来そうである。
正統派ビートダウンであり難しい動かし方とかは特にない。デネブでアルタイルをサーチして場に出していくだけである。極力エクシーズ召喚をせずに場にカードを残すようにして戦いを進めていけばよい。《リビングデッドの呼び声》は相手のエンドフェイズにアルタイルを蘇生させて墓地のデネブを釣っていくのが基本。これで攻撃の制約がなく自分のターンを迎えることができる。
動かし方がシンプルな分、誤ったカードの使い方やもったいないカードの使い方をするとすぐにわかるし負けに直行する。いわゆるプレイングのうまさが勝率に直結すると考えているので、遊戯王の基本的なプレイングを鍛えるのにもいいかもしれない。
■《クリバンデット》、《マスマティシャン》、《ソウル・チャージ》
コレクターズパック−伝説の決闘者編−で登場した3枚の強力汎用カードたち。これらは【テラナイト】にどのように影響を与えるのかを考えてみたい。
・《クリバンデット》
5枚めくってその中にある魔法・罠カード1枚を手札に加えることができるカード。【テラナイト】においても墓地肥やしはデネブにアクセスできるという点で有用であるが、本当にそれだけである。召喚権を使い、さらに効果の発動はエンドフェイズ。あらかじめリビングを伏せておけばすぐに効果を使うことができるが、何が落ちるかわからないカードに多くを期待しても仕方がないと思う。エクシーズをすることはないだろうが、やはりランク4を作れないという点もイマイチ。・《マスマティシャン》
生きている《おろかな埋葬》。デネブを素早く墓地に送ることができる点は評価できる。しかし、【テラナイト】においてはそれだけであり、それ以上の効果を求めようとすればデッキの形が大きく変わってくるだろう。レベル4なら使っていたかもしれない。・《ソウル・チャージ》
久しぶりに出た、書いてあることが明らかにおかしいカード。ノーマルで製作してあるし、次の制限改訂で制限カードにするためにレアリティを落としたのではないかと邪推してしまう。【テラナイト】はそれほど能動的に墓地を肥やすわけではないので3枚デッキに入れると手札事故を引き起こしそう。ただ、普通にデュエルをしていれば勝手に墓地にモンスターは溜まっていくので、特に構築を変更することなくデッキに入る。5体まで特殊召喚できるからといって、いつも全力で5体のモンスターを特殊召喚する必要はない。【テラナイト】から見るとヤバい永続カードが出てしまって、それをデッキに戻すために《鳥銃士カステル》を出したいときにも使っていいと思う。
サテラナイトは全て特殊召喚されたときにも効果が発動できる。その点を踏まえると、いろいろなテーマの中でも最もうまく《ソウル・チャージ》を扱えるデッキだとさえ言える。ベガとアルタイルの効果を使えばライフを3000支払うだけでモンスターが5体並ぶ。レベル4の戦士族が5体揃えば最強ロンゴミアントが降臨する。そのターンは攻撃できないが、相手の場を壊滅させる起動効果は使える。それだけも十分だと思うのだがどうだろうか。ライフを5000払って最強ロンゴミアントを出した後に、ベガとアルタイルを使って《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》を出して相手の後続を封じるのも面白いだろう。
■デッキの弱点をしっかりと把握する
相手の弱点をしっかりと把握し、そこを突くのは戦いの基本である。同時に自分の弱点を知り、それをいかにカバーするかも重要である。この記事で何を言いたかったかというと、「《星因士 デネブ》をいかにしてサーチして効果を使うか」であり、【テラナイト】の核となる部分である。この一文から弱点を見つけるのは容易だろう。
・サーチを封じられる
デネブのサーチを封じられるとどうなるか。エクシーズ召喚は仕組み上、必ずカードアドバンテージを失う。デネブで後続のサテラナイトを供給できなければ、いずれモンスターが尽きるのは明白。その先に待っているのは敗北のみだ。《ライオウ》はサーチを封じ、さらにサテラナイトを全て戦闘破壊できる攻撃力を持っている。モンスターによる除去はなかなか骨が折れるので、魔法・罠カードを使って対処したい。・モンスター効果を無効化される
今の遊戯王はモンスター効果全盛時代である。【テラナイト】に関しても例外ではなく、モンスター効果によって戦線を構築している。最近は《アーティファクト−モラルタ》に対抗するために使われた《ブレイクスルー・スキル》が引き続きよく採用されている。このカードが墓地にある状況では、墓地発動効果がリビングアルタイルに刺さるのが問題である。《禁じられた聖槍》を使って無効化効果を回避してもよいが、アドバンテージ的には損をしているところがつらい。【テラナイト】のモンスターは全て光属性なので、《閃光を吸い込むマジック・ミラー》は維持されると終わるカードの一つだ。ほぼ全ての効果が無効になってしまう。相手が用意しているかわからない場合でも、サイドデッキから《サイクロン》の投入は不可避だろう。
・墓地のカードを除外される
【シャドール】、【征竜】、【テラナイト】。環境の上から3つのデッキが墓地を利用している現状では、メインデッキに墓地のカードを除外するカードを入れているデッキも多くなってきた。【テラナイト】においては墓地釣り上げのアルタイルの効果にチェーンされるのがつらい。《D.D.クロウ》に対しては《神聖なる因子》によるカウンターしか現実的な対抗手段がないが、墓地のカードは破壊できないというルール上の問題から1ドローができない。場にサテラナイトを追加するためにアルタイルの効果を使っているのに、場のサテラナイトをコストに発動する因子ではカウンターする意味がだいぶ薄れる。《D.D.クロウ》は必要な場面まで手札に温存しておける上、それに対抗するのが難しいので、【テラナイト】に対しては非常に有効なカードと言えるだろう。・《激流葬》で全部流される
エクシーズ召喚メインのデッキ全般に言えることであるが、場にX素材とする予定のモンスターを並べ終わったときの《激流葬》が「こうかはばつぐん」だ。【テラナイト】では3体エクシーズすることが多いので、特に被害が顕著である。多くの場合召喚権も使ってモンスターを場に出しているので、そのターンでの立て直しは難しい。《我が身を盾に》でモンスターを守るという選択肢もなくはないが、正直後ろ向きすぎる。いっそのこと流されたモンスターを《ソウル・チャージ》で全部場に戻してX素材4体以上のロンゴミアントでも作った方がいいのかもしれない。・特殊召喚に制約を課される
《エルシャドール・ミドラーシュ》のことである。場にモンスターがいない状態でエクシーズモンスターを立てようとすると、召喚権で1体、レベル4モンスターの特殊召喚で1体とやってX素材を用意する必要がある。すでにこの時点で特殊召喚を1回してしまっているので、2回目の特殊召喚となるエクシーズはできない。エクシーズに限らずシンクロ召喚でも同じである。なんという制圧力か。当然放置はできないので、出てしまったら《禁じられた聖杯》や《ブレイクスルー・スキル》で効果を無効にしてからエクシーズ召喚しよう。そうしてミドラーシュを破壊した場合はどうなるか。墓地の《影依融合》を回収されて次のターンにデッキ融合されるのである。そしてまた出てくるミドラーシュ。もうやってられないわ!と、こういうループに陥ってどうしようもなくなるので、【シャドール】戦においてはエクシーズモンスターを自分の場に残してターンを渡してはいけない。そしてミドラーシュは戦闘破壊をしてはいけない(効果ではそもそも破壊されない)。残された選択肢はバウンスと除外である。相手にデッキ融合をさせずに《影依融合》を回収させないようにするためにはどうしたらいいか。各自でいろいろ考えて欲しいと言いたいところだが、私なりの回答を示しておかねばなるまい。《邪帝ガイウス》と《威光魔人》だ。
■結果を残せていないデッキレシピに意味はない
ここまで長々と書いておいてデッキレシピの一つもなしか、と思ったそこのあなた。最初に書いたとおり私はモブであり【テラナイト】を使って結果を残したことがないどころか、1マッチも勝てていないのである。そんな人間の作ったデッキになんの価値があるのか。勝負事は結果が全てあり、結果を残せなければいくらご高説をたれようとも説得力に欠けるのである。まあ、そんな人間でもなんとか【シャドール】と戦えるようにがんばって無い知恵をひねってみたことがある。
【帝テラナイト】(関東デュエルフェスタのチーム戦使用デッキ)
■モンスター:20枚
2《邪帝ガイウス》
2《フォトン・スラッシャー》
3《H・C 強襲のハルベルト》
3《星因士 ウヌク》
3《星因士 アルタイル》
3《星因士 デネブ》
3《星因士 ベガ》
1《星因士 シャム》
■魔法:11枚
1《ブラック・ホール》
1《大嵐》
1《死者蘇生》
1《増援》
3《天架ける星因士》
3《禁じられた聖槍》
1《月の書》
■罠:9枚
3《強制脱出装置》
3《リビングデッドの呼び声》
3《神星なる因子》
■エクストラデッキ:15枚
1《セイクリッド・トレミスM7》
1《武神姫−アマテラス》
2《星輝士 デルタテロス》
1《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》
2《No.86 H−C ロンゴミアント》
1《セイクリッド・オメガ》
1《No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ》
1《No.101 S・H・Ark Knight》
1《鳥銃士カステル》
1《H−C エクスカリバー》
1《No.80 狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク》
1《励輝士 ヴェルズビュート》
1《ガガガガンマン》
■サイドデッキ:15枚
2《D.D.クロウ》
1《A・O・J サイクルリーダー》
3《サイクロン》
1《ブレイクスルー・スキル》
2《群雄割拠》
3《ソウルドレイン》
3《封魔の呪印》
メインにガイウスを入れた【テラナイト】である。ここまでやる人間はあまりいないのではないだろうか。メインからガイウスを使った理由はただ一つ。ミドラーシュの除外である。エルシャドールは墓地に送らなければ《影依融合》を回収できない。罠の選択が《強制脱出装置》なのもそのためだ。2《邪帝ガイウス》
2《フォトン・スラッシャー》
3《H・C 強襲のハルベルト》
3《星因士 ウヌク》
3《星因士 アルタイル》
3《星因士 デネブ》
3《星因士 ベガ》
1《星因士 シャム》
■魔法:11枚
1《ブラック・ホール》
1《大嵐》
1《死者蘇生》
1《増援》
3《天架ける星因士》
3《禁じられた聖槍》
1《月の書》
■罠:9枚
3《強制脱出装置》
3《リビングデッドの呼び声》
3《神星なる因子》
■エクストラデッキ:15枚
1《セイクリッド・トレミスM7》
1《武神姫−アマテラス》
2《星輝士 デルタテロス》
1《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》
2《No.86 H−C ロンゴミアント》
1《セイクリッド・オメガ》
1《No.103 神葬零嬢ラグナ・ゼロ》
1《No.101 S・H・Ark Knight》
1《鳥銃士カステル》
1《H−C エクスカリバー》
1《No.80 狂装覇王ラプソディ・イン・バーサーク》
1《励輝士 ヴェルズビュート》
1《ガガガガンマン》
■サイドデッキ:15枚
2《D.D.クロウ》
1《A・O・J サイクルリーダー》
3《サイクロン》
1《ブレイクスルー・スキル》
2《群雄割拠》
3《ソウルドレイン》
3《封魔の呪印》
ガイウスの生け贄としてはフォトスラとハルベルト。この2体なら特殊召喚1回、アドバンス召喚1回でミドラーシュを処理できる。《月華竜 ブラック・ローズ》とセットになっていても月華竜のバウンス効果は発動しないのでギリギリで処理できる。ガイウスならメインデッキのカードで特殊召喚もされていないので、【シャドール】にとってのお客さんではない。
しかし、これはあくまで理論。実戦では【シャドール】をじわじわと追い詰めて相手の手札もだいぶ減ってきたところで、ミドラーシュを出されてそのまま押し切られた。デッキの段階からの対策を練り、相手をうまく追い詰めるプレイングをしてもこの有様だ。
根本的なところでのデッキ相性の絶望的な差を遊戯王で味わったのは初めてだった。
■テラナイトのこれから
【テラナイト】の構築自由度はだいぶ高い。デネブとアルタイルが仕事をするように構築すれば、あとのカードは正直なんでもよい。《光天使セプター》と《光天使スローネ》を入れた【光天使テラナイト】もだいぶ有名になってきた。3体エクシーズすることを主目的にするならばこちらの形の方がいいだろう。デルタテロスがチェーン不可能なカード破壊効果をひっさげて登場するのが本当に強い。
これからは《ソウル・チャージ》が必須カードになっていくだろう。《貪欲な壺》でカードをドローするくらいならそれらを全て場に出した方が強いのは明らかだ。3枚は一層の墓地肥やしが必要になると思うので、2枚か1枚か。今はまだ枚数選択の余地があるが、そのうち1枚しか使えないようになると予想する。だが【テラナイト】にはそれで十分だ。ソルチャを前面に押し出して戦うデッキではないのだから。
次のパックではレベル4テラナイト×3を素材とする専用エクシーズ《星輝士 トライヴェール》が出る予定である。追加のサテラナイトにも期待ができる。新しいテーマなので新カードによってまだまだ伸びる可能性が高い。これから遊戯王を始めようと思う人にとっては、安価で強いデッキが作れるという利点もかなり大きいと思う。この記事が新しく遊戯王を始める人たちにとって役に立つことがあればこれ以上の喜びはない。
それでは、楽しい【テラナイト】ライフを。
記事の内容についての質問がありましたらコメント欄にどうぞ。できる限り対応したいと思います。ただし、デッキの診断はしませんのでその点はご了承下さい。
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